食発第0221002号
平成14年2月21日

(関係団体の長) 殿

厚生労働省医薬局食品保健部長

保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について

 平成13年2月26日付薬事・食品衛生審議会報告書「保健機能食品の表示等について」におけるアドバイザリースタッフの確保の必要性に関する提言を踏まえ、薬事食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会において、別添のとおり「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について」がとりまとめられました。
 保健機能食品やその他のいわゆる健康食品について、国民に健康的で質の高い生活を送るためにはバランスのとれた食生活が重要であることを前提に、正しい情報を提供し、身近で気軽に相談できる人材の養成は、過剰摂取等による健康障害の防止の観点からも望ましいと考えられます。 今後、貴会等でこれら人材の養成等を実施される場合は、この基本的考え方に従って行われますようご配慮願います。

保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について
1 はじめに
 健康的で、質の高い生活を送るためには、消費者自らが積極的に健康づくりに努め、特にバランスの取れた食生活を営むことは何よりも重要である。
 我が国では、国民の健康志向の高まりに伴い、国民が食品に対して求めている機能も複雑かつ多様化している。特に、政府の規制緩和推進計画及び市場開放問題苦情処理推進会議(OTO)報告に対応して、食薬区分が見直され、特定の栄養・非栄養成分を摂取することを目的とした製品が食品として商品化され、市場に流通している。
 これら食品はその食品が持つ機能に応じて、適切に摂取すれば栄養成分の補給、健康の維持増進及び特定の保健等に寄与することが期待されるが、不適切な摂取等によっては健康を損なうことも考えられる。
 一方、海外においてもこうした一定の機能を持つ食品について、規格基準、特に表示に関して種々議論されており、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)では現在、それらの食品に対する栄養強調表示や健康強調表示について検討がなされている。
 これらを背景に、健康障害をもたらすことのないよう、消費者に正しい情報を提供し、消費者自らの判断による食品の選択が適切に行えるようにすることを目的として、いわゆる健康食品のうち、一定の要件を満たすものを「保健機能食品」とする制度が、平成13年4月から施行されたところである。
 薬事・食品衛生審議会では、本制度の施行に当たり、平成13年2月26日の報告書「保健機能食品の表示等について」において、国民に対して正しい情報を提供し、自らの選択に委ねるためには、相談機関の充実やアドバイザリースタッフの確保が必要である旨の提言をした。
 また、平成12年度厚生科学特別研究事業として、「保健機能食品に係る指導・相談専門家の育成及び指導・相談体制の整備のあり方に関する調査研究」班の報告が取りまとめられた。
 このような状況のもと、消費者に適切に情報を提供し、消費者が気軽に相談できる者(以下「アドバイザリースタッフ」という。)の養成に関する基本的な考え方をまとめたものである。
 今後は、この基本的な考え方に沿って、アドバイザリースタッフの養成が進められることを期待する。

2 アドバイザリースタッフの必要性
 現在、消費者が保健機能食品やその他のいわゆる健康食品(以下「保健機能食品等」という。)に関して情報提供や相談を受ける場としては、(1)保健機能食品等が販売されている店舗や通販の機会等、(2)保健機能食品等の製造・販売会社のお客様相談室等、(3)保健所、保健センター、病院・診療所等の保健・医療機関、(4)消費者センター等の消費者相談機関、(5)地域における食生活改善活動の場などが考えられるが、多種多様な保健機能食品等が流通する中、消費者が自分の健康の維持増進等の目的に合致した食品や消費者の食生活状況や健康状態に応じた食品を、安全にかつ適切に選択し、摂取することを可能とするためには、これらの食品の持つ成分の機能及びその活用方法等について理解し、正しく情報を提供できる助言者、すなわち、アドバイザリースタッフが適宜置かれていることが重要である。この「基本的考え方」はそのようなアドバイザリースタッフが習得すべき知識及び養成方法について提案し、保健機能食品等に関して消費者に適切な情報を提供できることを期待するものである。

3 アドバイザリースタッフが習得すべき知識
 消費者が利用する保健機能食品等には、従来の単なるビタミン、ミネラル等の栄養成分のみならず、種々の生理的機能に影響を与える非栄養成分が含まれており、また、その機能も多岐にわたっている。これら食品の機能に関する科学的根拠を示す資料は広範囲に分散しており、また、その成分の有効性が十分に理解されていないものもある。
 このことからも、消費者に対して、アドバイザリースタッフが適切な情報提供や相談に当たるには、保健機能食品等に関する適切な知識、少なくとも、これら食品が持つ有効成分を適切に活用するための知識を習得しておく必要がある。すなわち栄養素とその栄養機能、保健の用途に関する食品の成分とその機能、適正な摂取方法、過剰摂取の防止並びに食品と医薬品との相違などを十分に理解している必要がある。
 このように、アドバイザリースタッフは、以下の内容を理解・習得していることが望ましく、養成に当たってはそれに見合った内容とすべきである。

(1) 保健機能食品等の有用性、安全性を考慮した適正な使用方法や摂取方法(過剰摂取の防止等も含む)

(2) 医薬品との相違についての正しい理解

(3) 保健機能食品等と医薬品及び保健機能食品等同士の相互作用についての正しい理解

(4) 栄養強調表示と健康強調表示に関する正しい理解

(5) 保健機能食品等の有用性、安全性に関する科学的根拠を理解するための基礎知識

(6) 食品及び食品添加物の安全性や衛生管理等に関連する知識

(7) 健康状態及び栄養状態に応じた食品の適切な利用のための健康・栄養に関する知識

(8) 関連法律(食品衛生法、栄養改善法、薬事法、景品表示法等)の内容

(9) 消費者の視点に立った情報提供と適切な助言のあり方及び消費者保護についての考え方

(10) 保健機能食品等の市場に関する知識や海外の情報等

 なお、養成を行う際には受ける人の知識に応じて重点の置き方が異なることがあり得る。

4 アドバイザリースタッフの養成方法
(養成対象について)
 管理栄養士、薬剤師、保健婦(士)等、食品衛生や健康の維持増進・疾病の予防・治療に関わりのある業務に従事する人が、専門家としての立場から、更に必要な知識を習得することが期待される。また、保健機能食品等の製造・販売に従事する人は、消費者から製品に関する相談や質問を受けることが多いと思われることから、十分な知識を習得し、適切な情報提供をすることが必要である。したがって、これらの人々をアドバイザリースタッフの養成対象とすることが望ましい。

(実施主体について)
 保健機能食品等に関する新たな知識に対応し、受講者の必要とする養成内容にきめ細かく対応するためには、十分な知見を持ち、組織・運営等が適正である民間団体が養成の実施主体となることが適切である。

(養成に当たっての留意点)
 アドバイザリースタッフとして必要な知識の習得が効果的に行われるためには、以下の点を踏まえた養成が望ましい。

(1) 養成方法として、講習会方式だけでなく、現に勤務している者(いわゆる社会人等)が受講しやすくするためにも通信教育方式や実施主体間による受講講座の相互利用(単位互換性等)を認めるなど、柔軟な対応が望まれる。

(2) 養成の実施主体間における養成内容の水準の差を少なくするとともに、地域ごとに必要な研修や情報交換等が行えるよう、これら機関等が連携を図り、ネットワークづくりを図ることも有用である。

(3) 実践の場において消費者に的確に助言できることを想定して、具体的な事例や質疑応答例等を取り入れることが望ましい。

(4) 一定の知識習得を担保するために、教育カリキュラムや教材の整備等の充実が重要である。

(5) アドバイザリースタッフとして必要かつ十分な知識を習得したかどうか、実践の場に応用できるかどうかについて的確に評価を行うように努めるものとする。

(6) アドバイザリースタッフは、最新の情報を得るため、追加の知識の習得に定期的に努めることが必要である。


5 おわりに
 健康を維持増進するためには、バランスの取れた食生活が重要であることは言うまでもないが、食品に多様な機能が求められている中、過剰摂取等による健康障害を防止し消費者自らの判断により適切な食品の選択が行えるようにすることを目的として保健機能食品制度が設けられたものである。
 更に、本制度の趣旨を踏まえて養成されるアドバイザリースタッフの活用により、消費者は、保健機能食品やその他のいわゆる健康食品に関して、より身近で気軽に情報提供や相談を受けることが可能となる。これにより消費者がこれらの食品に関する正しい情報を得て理解を深めることにより、その適切な選択を行うことが期待される。
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